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黒い雨 降雨地域の5倍拡大を厚労相に要望 広島市など
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米軍が広島へ原爆を投下した後に放射性物質を含む「黒い雨」が降ったとして国が被爆者援護の対象に指定する地域について、広島市と広島県などは12日、現行の約5倍に拡大するよう長妻昭厚生労働相に要望した。同市が08年に被爆者ら2万7000人に実施したアンケートなどから、黒い雨が降った地域は現在国が認めている地域より広く直径約40キロの円状になると推定されたため。これらの地域で黒い雨を浴びた人に被爆者援護法に基づく無料健康診断など「被爆者」としての援護を求める。
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国は76年、終戦直後に気象庁職員らが行った調査などを基に、広島市中心部から北西方向に長さ29キロ、幅15キロを黒い雨降雨地域とした。このうち大雨が降ったとされる長さ19キロ、幅11キロの楕円(だえん)の地域を被爆者援護法に基づく「健康診断特例区域」に指定した。健康診断を無料で年4回受けられ、がんなどの病気にかかれば被爆者健康手帳も取得できる。しかし、地域外でも黒い雨の証言があり、住民団体などが地域拡大を訴えてきた。
広島市は08年、同市と周辺の住民らに大規模なアンケートを実施。結果の解析から、降雨地域が主に東西に大幅に広がるとした。現在も心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える人がいることも判明した。さらに、調査に協力した科学者グループが、降雨地域外で原爆投下直後に建てられた家屋床下の土壌から、黒い雨に含まれていたとみられる放射性物質を検出。これらの結果から、援護対象地域の拡大を国に要望することを決めた。
この日、秋葉忠利市長が同市内で民主党広島県連に要望書を提出。民主党幹事長室を経由して長妻厚労相に届けられる。秋葉市長は「一日も早い解決が求められている」と話した。【矢追健介】
【ことば】黒い雨 原爆投下直後、強烈な爆風で巻き上げられた泥やすす、ほこりのほか放射性物質などを含んで降った雨。色は黒や灰色など地域で異なり、油臭さや粘り気があったなどの証言もある。浴びた人の衣服には黒い斑点が残り、住宅の壁にも雨が流れた跡が残った。国は76年に降雨地域を指定したが、地域外でも黒い雨の体験証言があり、広島市と広島県は指定地域の拡大を要望し、被爆者援護法に基づく援護対象に含めるよう求めてきた。